それらはどれだけ丁寧になめし加工をしても、どれだけ丁寧に染めても、ひとつとして同じにはなりません。
それこそが、革が持つ特別な個性であり、その均一でないところが革の面白さにつながっているんですね。
私たちが革を選ぶ時には、素材を実際に目で見て、触って、試作を繰り返し、そしてストラップに適しているかどうかを吟味しています。
見た目は同じような高品質な革でも、ストラップとして製作してみると、使用感が全く違ったものになることもあるからです。
革選びで大切にしていることは、
着けていて心地よいフィット感、
楽器をより軽く感じること、
呼吸を妨げないこと。
ストラップとして最適な素材を選び抜き、またその革の持つ特性を最大限に活かす製作方法にこだわっているのです。(製作方法についてのお話は、また次回に…)
"ライザプレミアム” に採用する革には、最高級イタリア製なめし革を選びました。
その革は、牛革を植物タンニンでなめし、オイルをゆっくりと染み込ませる、とても時間と手間のかかる伝統的な製法「バケッタ製法」によって作られています。
今ではフィレンツェのごくわずかな継承者によって受け継がれている技術だそうです。
使うほどにくったりと馴染み、また上質な色艶の変化を楽しむことができるのはこの革ならでは。
使用中についた多少の傷なども、こするとオイルが滲み出て馴染んでしまいます。
ご愛用の奏者のツヤツヤになったストラップをお見かけすると、とても嬉しい気持ちになります。
それはその人の体に沿うオリジナルの1本。
その革の個性に加えて、その過程も含めて楽しんでいただければと思います。